配偶者が起訴され、有罪判決を受けた場合の配偶者ビザの更新方法
Q.私の配偶者が、窃盗罪で起訴され、有罪判決を受けてしまいました。このように、配偶者が起訴され、有罪判決を受けた場合の配偶者ビザの更新方法はあるのでしょうか?また、在留資格取消しにあう可能性はあるのでしょうか?
A.配偶者ビザの更新が許可になるか、不許可になるかは、ケースバイケースですので、適切な対応をすることが重要です。
まず、入管法では、強制退去事由として、「昭和二十六年十一月一日以後に無期又は一年を超える懲役若しくは禁錮に処せられた者。ただし、執行猶予の言渡しを受けた者を除く。」という規定があります(入管法24条4号リ)。
つまり、1年を超える実刑判決を受けた場合、強制退去事由となり、退去強制手続きが開始されるということになります。
また、別表第一の在留資格を持つ外国人については、窃盗罪で有罪判決が確定することも、強制退去事由に該当することになってしまいます(入管法24条4号の2)。
もし、配偶者の方の在留資格が、「別表第一の上欄」の在留資格の場合は、窃盗罪で懲役刑の有罪判決を受けると強制退去事由となってしまいますので、注意が必要です。窃盗罪は、刑法235条、第36章の罪ですし、法定刑が「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」となっておりますので、略式命令の罰金刑であれば退去強制とはなりませんが、公判請求されて、執行猶予つきの有罪判決を受けてしまいますと強制退去事由となってしまうのです。
また、在留資格の取り消し手続きは、入管法第22条の4で規定されていますが、基本的に、ビザ取得時の虚偽申請や、居住地の届出を怠った場合、その他在留資格に該当する活動を正当な理由なく行っていない場合に取り消しされるものです。犯罪行為によって在留資格の取り消し手続きが進行することはありませんのでご安心ください。
そして、在留期間の更新手続きにおいては、在留期間更新の必要性、相当性があるかを総合的に判断します。
そのため、前科がつくと在留期間更新の可否に影響することになりますが、前科の内容と、在留資格の種類と従前のビザ更新の経緯が問題になります。
ビザ更新の場面においても、近年では審査が非常に厳しくなっており、具体的事例において、罰金刑でも更新許可されなかった事例も多くなっておりますので、注意が必要です。
このような場合、自分で配偶者ビザの更新・変更を申請することは非常にリスクが高いので、入管・ビザ専門の行政書士に依頼することをお勧めいたします。